病院薬剤師 お勉強の日々

3年目の病院薬剤師の奮闘記です。勉強・読書・気になるニュースなどを紹介していきたいと思っています。

腎機能低下とクラビット

こんにちは。しがない薬剤師です。

 

腎機能低下患者とクラビット

クラビット,一般名レボフロキサシンでニューキノロン系の抗菌薬です。

ニューキノロン系といえば,PK/PD理論によって1日1回の投与,腎排泄薬剤ですね。

 

仕事を始めると,意外とけっこうな頻度で処方されているなと目につきます。

そしてわかってもらえるでしょうか,投与量に関して疑義する抗菌薬No.1です。

腎機能低下患者に対する減量方法

きっちりと添付文書に記載されています。確認しましょう。

 

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  クラビット錠500mg 添付文書より引用

 

この理由としては,クラビットは腎排泄型の薬剤であり,腎機能障害によって排泄が遅延して血中濃度が上昇するためです。
腎機能によらず初回投与量が500mgでOKなのは,服用した薬剤を吸収する過程は腎機能障害の影響を受けないので,腎機能障害患者でも,初回投与量を減量する必要ないからです。

 

病院では腎機能をカルテを使ってチェックすることができるので,用法用量についてしっかり確認することができます。

250mg製剤の採用がない場合は500mg錠の半割が面倒な作業ではあります。

クラビット点滴静注では

もちろん,用法用量は錠剤と同じとなっております。腎機能に応じて減量です。

500mg/100mLのバッグ製剤を採用している病院は,半量捨てることがあるのではないでしょうか。

半量投与後に,点滴を止めて捨てる。これは,止め忘れたり,バッグに書いてある目盛りで半量が正しいのかな?といったリスクになる部分がいくつかあります。

そのため,投与前にシリンジで50mL(250mg)を抜く方法もいいかもしれません。

(もちろん,投与前に針を刺すのでコアリング・清潔度が落ちるといったご意見もあると思います。)

 

おわりに

腎機能チェックが必要なクラビット。Ccrでの投与量なので,女性・高齢で本当に?と思うほどCcrが良い患者に処方が出るたびに,500mgでいいのかなと頭をかかえるものです。

 

薬局の薬剤師さんは処方箋に検査値が記載されていなかったら,腎機能がわからないですよね。投与量の確認はどうしているのでしょう。誰か教えてください~。

 

 

参考に・・・他のニューキノロン系薬剤は

シプロキサン(シプロフロキサシン)は腎機能に十分注意し,患者の状態を観察しながら慎重に投与することとの記載,参考としての投与量があります。

グレースビット(シタフロキサシン)は「投与量を調整すること」との記載と目安の投与量の表があります。

ジェニナック(ガレノキサシン)は低体重・非透析・高度腎機能障害患者には減量するように記載があります。